李朝の器物はなぜ美しいのか、それは、傲慢なところがないから──
長年、青山で朝鮮の古美術をあつかう名店をいとなみながら「骨董趣味が好きになれない」という著者が、李朝にひかれてしまう人々をあたたかく、李朝への思いを熱く綴った本です。
ものでも人でも中身をどれだけ把握できているのか。すべては自分自身の問題であり、真っ直ぐに向き合う姿勢に心打たれました。
モノはヒトそのもの
モノの美はヒトの美
向き合い方を考えさせられる本です。
■著者……李鳳來 Lee Bong Rae
古美術商。1947年生れ。1972年、東京南青山に、朝鮮の古美術を扱う「梨洞」を開店。
■B5判 上製本 箱有 カラー112頁
■2016年3月30日刊
■目次
滅多にないモノ 土器
夜行バス、カプセルホテル 鶏龍山徳利
ふと、立ち止まる 三島筒
首のない瓶 三島瓶
英国の椅子
銀行から借りる 書棚
母上を連れて 砧石
石を背負う 石童子
国の文化を語れない政治家 白磁壺
見事な死にかた 白磁壺
神戸人のおしゃれ 香炉
虎 虎水滴
ワンチャンの死 童子
共に井戸を見る 黒釉徳利
厚い、薄い 枕と明器
或る生き方 石仏
先輩 敔
誠実 白磁壺
自分へのプレゼント 誕生仏
韓国・朝鮮と日本 厨子
キラキラ眼 鴨
在野の実力 鉄絵瓶
民芸 木彫
李先生 From Line
李朝 石羅漢
あとがき